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デュエットについて

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 デュエット、2人で奏でることをそういうのだが、どうもデュエットといえばカラオケと結びついているようだ。「ねぇねぇ、一曲一緒にどうかしら?」とか、「ママ~、あけみちゃん借りるね」的なスナックマナーの方が先行してしまっている感がある。

 そういう場合の定番曲としてはやはり「銀座の恋の物語」が未だに君臨している理由について考えてみたら「音域の適度な低さ」ではないだろうかと思った。

 ご婦人も適度なアバズレ感が出るし、紳士の皆さんも大体デュエットなどはじめようという選択をする頃には酒が相当廻っているに違いなく、こんな時に「2人の愛ランド/石川優子&チャゲ」などを歌おうものならロバートプラントばりのハイトーンを叫ぶ瞬間に嘔吐してしまうだろうから、やはり裕次郎の「ボソボソ感」が健康を留意するなら必須である。

 このボソボソ感を前面に押し出した歌唱法を愛してやまない黄さん(ブルームーンカルテットコルネット奏者)は、最近このスタイルをマスターしたようでカラオケに行くとマイクのボリウムとエコーを上げまくって「お前はナイアガラか」とつっこみたくなるくらい小さな声でボソボソやる場面を頻繁に見かけるようになった。

 冗談のわからない音楽家はカラオケはバンドマンの敵だとか何とか言って嫌う傾向にあるが、飲めば歌いたくなるのは人の常、以前カラオケ好きの知人と普通の居酒屋で飲んでいたら途中から伴奏も無いのに各々歌い始めてしまい廻りに迷惑だったり、またそんな時に限って「友よ~♪」と大合唱になってしまい、学生運動など経験していないのに疑似体験を強いられたことさえある。そんなことならカラオケに最初から行けばよかったと。
それくらいワタクシを含む界隈の人間は実にカラオケ好きが多い。何ならカラオケ大会を主催して適当に審査してみたいくらいである。
そんなワタクシ、デュエットレパートリーが少なすぎて困る。裕次郎でも「銀恋」はスタンダードすぎてむしろ奥の深みにはまっているのでそう簡単には歌えないから「夕陽の丘」などを歌おうとしても誰も知らない。結局、「釜ヶ崎人情/三音英次」を独唱して孤立するパターンである。


 では演奏する時の編成でのデュエットは、サックスとピアノとか、歌とピアノ、ベースとギターなど様々な組み合わせがあり、それぞれ面白いのだが特にワタクシが好きなのがギターデュエットである。
とにかく20歳のときにこのレコードに出会ってから2ギターの音楽が凄く好きなのだ。


決してコードをジャカジャカ演奏しない、空間の音楽。ジョーパスの良さは実はハーブエリスとやっているときにこそ発揮されるのかもしれません。それにしても「会話」にしか聞こえない。


 ギターという楽器は「喋らせる」のが難しい。表情を出したり言葉や声のように表現するのが他の楽器に比べて苦手なのではないかと思うのだが、そういう楽器を選んでしまった以上、とことん「喋らせる」ことを目指すというタイプと、テクニック志向でひたすら正確な技術を鍛錬するタイプに分かれる。ワタクシは喋らせることを目標に据えて演奏活動をしているが、そうなると似たような志向の人たちと仲良くなるみたいで、ここ1年くらいギタリストのTAKU君と数カ月に一度だけど縁あってデュエットライブをしている。

 彼はヒップホップグループ「韻シスト」のギタリスト&トラックメーカーとしての活動が有名だが、セッションマンとしていろんな音楽を演奏していたり、重鎮ジャズギタリスト竹田一彦さんに師事していたりと、若いのになかなかしっかりしたプレイをするので人は見かけで判断したらだめだなぁと思わせてくれた奴。ギター弾きながらラップしたり、たまにニヤっとさせてくれるビバップフレーズ、天然なトークなどワタクシにとっては無いものずくめで非常に魅力的な彼もワタクシを非常に尊敬してくれている嬉しさ。

 そういう2人が一緒に演奏する時に、バンド編成から始めるのではなく2人だけで演奏するのが希望だった。公園のベンチでたまたま隣に座った人と挨拶から始まって少しずつ話して行く過程を大事にしたかったのだ。会話が弾むか弾まないかは2人の相性、場の空気、性格で、その日の天候まで影響してくるくらいの感じ。自分の話ばかりするのも駄目だし、相槌ばかり打っているのも面白くない。会話に置き換えると非常にわかりやすい。自然に振る舞いながら少しずつ打ちとけていく感じ。 

 そういう場を繰り返していったときに相手のことが分かってきたり、それによって少し裏切ったり、さらに深く理解してきたりすると今度はグループに発展するのだが、グループに発展させないことによって新鮮さを持ち続けたいなぁと思えるデュエットはなかなか楽しいものである。

今後も関西に行った時にちょいちょい絡む予定なので楽しみである!そのうちTAKUともカラオケ行かなあかんww。

WAVE/TAKU&TOMMY


Basin Street Blues/TAKU&TOMMY


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